心震えるような出会い
コロナ禍で人と人との接触は少なくなっているけれど、私たちは、日々の生活の一瞬一瞬に出会いを見つけることができる。そこには、共感や驚き、喜びや感動があり、面白い、悔しい、不思議だなど、気持ちが高ぶったり揺さぶられたりもするのだ。
年明けに、先輩コーチから便りが届いた。
彼女は常に変化に対応し挑戦している、私のロールモデルの一人だ。便りには、彼女の今の思いや考えが率直に書かれていて、読み終えた時には彼女の信念とそれを伝える表現に胸を打たれていた。そして、挑戦することに手を拱いている自分に気づき少し気落ちしたのだが、でも、改めて奮起した。
また、最近、東京都現代美術館で開催されている展覧会「石岡瑛子〜血が、汗が、涙がデザインできるか〜」を鑑賞し、信念を無我夢中で追求した作品たちに圧倒された。作品の素晴らしさやアートワークに取り組む姿勢は圧巻で、石岡瑛子さんの志と周りを巻き込むほどの強い魂に心揺さぶられたのだ。
こういった感情を揺さぶられる出会いを得ることそのものが人生の面白みであるが、感情の動きは「自分を知る機会」でもあり、出会いを通して本来の自分を見つけているのではないかと私は思う。
感情の背景にあるものに気づく
「ああ!なんて素晴らしいのだろう」と感動したり、気を落としたりするたくさんの感情の背景には、その人の価値観や信念、思いがある。感情とは、自分のあらゆることを左右する具体的な行動や事象に対して観察したとき、それに対して内面で抱かれるもののことである。
先輩コーチの便りを読んだとき、私の感情が高まったのは、彼女の等身大の言葉が、「自分と相手を信じて表現したい」という私の思いを刺激したからだろうし、石岡瑛子さんの展覧会では「人は幾つになっても成長する存在である」ことや、「人の本来持っている大きな力(創造性のエネルギー)の可能性と価値」に作品を通して気づけて嬉しくなったからだろう。私の情熱を呼び起こす心震えるような出会いであった。
私たちは、感情に気づき、なぜそう感じているのかの理由がなんとなくでもわかれば、自己理解につながり「何を大切にしているのか」を発見することになる。それは、自分の情熱を解き放つはじめの一歩になるのではないか。
最近、あなたはどんな心揺さぶられる体験をしましたか。
>>> ひとり言11 へ続く
絵:fukanoart