ひとり言09 ー 贈りもの

先日、友人から一冊の詩集をプレゼントされた。タイトルは「深呼吸の必要」(長田弘 著)。

ちょうどその時は息子が風邪をひいていて、仕事の締め切りを気にしながらドタバタしている時だった。だから、差し出された本のタイトルを見て思わず「深呼吸」をしてしまった。気持ちがすうっと楽になり、嬉しさがこみ上げてきた。

友人がなぜその本を選んでくれたのか聞いていない。普段なかなか会えないのだが、メールのやりとりなどから、彼女は私の状況に気づいてくれていたのだろうと思う。一冊の本を介して、「あなたを大切に思っているよ」というメッセージを受けった気がした。

前回のひとり言08では、「言葉で伝える」承認のコミュニケーションについて書いたが、この承認の方法はレパートリーが豊富だ。「相手に合った贈りものをする」こともその一つだろう。

贈りものをする力があるとすれば、
①贈る前に、相手のことをじっくり観る
②相手のありのままの姿を受け入れる(贈りもので相手を変えてやろうと思わない)
③謙虚な自分の願いを込めたり、相手への労いをこめたりする
力だと私は考えている。

試験勉強に励む彼女にチョコレートギフトを。畑作業を始めた友人に軍手と特製スコップを…笑。など、贈りものの形はいろいろ。そこにある気持ちのやりとりが職場や家庭や私たちの暮らしにゆとりとエネルギーをくれるのだと思う。

友人Mさんへ、「いつも見ていてくれてありがとう!」

絵:fukanoart