会話という双方向のコミュニケーションを考えるときには、会話のやり取りを「キャッチボール」に例えたりするのですが、この言葉のキャッチボールをうまくやるっていうのは案外難しいなと日々思うのです。
とある夏の日に、夫婦でこんな会話をしました。
私 「暑いわね。こんな日は冷やしカレーうどんが食べたくなるわね。」
夫 「え、ざるうどんでしょ。」
この時、私は自分の食の好みを非難されたように感じ、私の言うことは聞いてもらえないの?と、瞬時に夫の言葉にイラッ、カチン、ムムムッと反応したのです。実際にこの会話の続きは、
私「私はカレーうどんが食べたいって言っているのよ。(私の話を聞いて!)」
と間髪入れずに言葉を投げ返し、夫婦の会話は頓挫してしまいました。会話のキャッチボールが成立せずに終わったということです。では、こんなふうに会話がつながったらどうだったでしょうか。
私「暑いわね。こんな日は冷やしカレーうどんが食べたくなるわ。」
夫「そうだね。暑い日は冷やしがいい。(僕はざるうどんだな!)」
ああ、いいですね。
聞いてもらっている感があって良い。これで会話のキャッチボールは一つ完了ですね。
「そうだね、うんうん、へぇそうなの」といった同意や共感の言葉によって会話のキャッチボールは成り立つのだと思います。簡単なことのようで、日常のコミュニケーションではボールが返ってこないまま終わったり、ボールを落とされていたり、ボールをすり替えられていたり(いつの間にか相手の話になっている)そんなキャッチボールが多く起きているのだろうと思います。
夫婦円満のコツもキャッチボール力ではないかなあ。
絵:fukanoart